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研究

【皮膚疾患におけるエピジェネティックな変化に関する研究】

近年、遺伝子の塩基配列の変化ばかりでなく、遺伝子の発現量を調節する機構であるエピジェネティクスと疾患との関連が指摘されています。当科では、炎症性疾患から腫瘍性疾患まで幅広く、エピジェネティックな変化と疾患との関連を調べています。

【悪性黒色腫の治療反応性についての基礎的研究】

悪性黒色腫に対する革新的治療法が臨床の現場で応用されつつあります。しかし、それらの治療に抵抗性の場合があることも知られています。当科では、治療抵抗性の原因を明らかにするために、基礎的な研究を継続的に行っています。

【皮膚疾患における制御性B細胞異常の検討と治療応用】

免疫細胞の1つであるB細胞は、抗体を産生するだけではなくそのほかにもさまざまな機能を有しており、免疫反応において中心的な役割を担っていることがわかってきました。例えば、制御性B細胞はT細胞など他の免疫細胞に作用し、その機能に大きな影響を与えたり、サイトカインなどの各種免疫物質を産生することで、免疫反応を正負の両方向に左右します。この機能が暴走したり、障害を受けることでさまざまな疾患に影響を与えることがわかってきております。現在われわれは、乾癬やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患において制御性B細胞の異常を検討し、将来の治療に役立てるよう研究を行っております。

【先天性表皮水疱症患者由来のiPS細胞における遺伝子治療】

先天性表皮水疱症は、生まれつき皮膚の構造が脆弱で、僅かな外力で水疱、表皮剥離を起こし、瘢痕を形成してしまう難治性皮膚疾患です。皮膚の構造を強固にするタンパク質が、遺伝子の異常によって上手く作られなくなってしまうことが原因です。残念ながら、まだ先天性表皮水疱症に対する治療方法が確立していません。当教室では、患者さんから細胞サンプルを提供していただき、iPS細胞の樹立を行っています。現在、治療方法確立を目指して、患者さんのiPS細胞の中で、異常を起こした原因遺伝子を修復する研究、修復したiPS細胞から皮膚を作り出す研究を行っています。

【かゆみの研究】

かゆみは、皮膚科における主要症状のひとつではありますが、その発生機序は未だ不明な点が多いです。現在、我々はその原因解明のため、かゆみが主な症状であるアトピー性皮膚炎に代表される皮膚疾患を有する患者さんのアンケート調査やアトピーモデルマウスのMRIによるかゆみ刺激時の脳活動の調査や腸内細菌の同定などの研究を行っております。